給与と給料の違いとは?

「給与」と「給料」という言葉は、普段なにげなく使っている人が多いかもしれません。
「給与」とは、労働に支払われる対価の総称のことです。給与には、交通費や手当、賞与、残業代などの各種手当が含まれます。
「給料」とは、給与から各種手当を差し引いた基本給のみを指します。

デイサービスの賃金では、役職給や資格給、残業代などの各種手当の有無が大きなポイントになります。
収入について調べる時は、給与と給料の違いを意識してみましょう。

デイサービスの介護職員の月給と年収はどのくらい?

それでは、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」のデータを元に、介護職員の平均給与額を見ていきましょう。

【常勤職員】
通所介護事業所 276,680円
通所リハビリテーション事業所 305,100円
平均月給 290,890円
平均年収 3,490,680円(月給×12ヶ月で計算)

【非常勤職員】
通所介護事業所 170,080円
通所リハビリテーション事業所 247,500円
平均月給 208,790円
平均年収 2,505,480円(月給×12ヶ月で計算)

※常勤・非常勤ともに給与は勤務条件や勤続年数、資格・役職の有無などによって異なります。

参考資料:「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 第120表 介護職員の平均給与額等(月給の者),サービス種類別,勤務形態別(介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所)」P206

デイサービスの介護職員の年収の相場は、常勤職員が約350万円、非常勤職員が約250万円です。
上記の金額から社会保険料や税金などを差し引いた金額が実際の手取り金額となります。
また、リハビリ型のデイサービスは一般的なデイサービスよりも給与が高い傾向があります。

デイサービスの介護職員が給与を上げるためにできること

現在デイサービスの介護職員として働いている人が、給与アップをはかるためにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、デイサービスの介護職員が給与を上げるための具体的な方法を紹介します。

非正規社員から正社員になる

デイサービスの介護職員が収入をアップできる方法の1つに、アルバイトやパートタイム、契約社員などの非正規社員から正社員になる方法があります。
労働時間や手当によって異なりますが、非正規社員と正社員では月額平均約10万円、年間平均約100万円ほどの収入差があります。
正社員を目指している人は職場の正社員登用条件を確認し、具体的なアクションを実行してみましょう。

長く働き続けて経験を積む

デイサービスの職場では、勤続年数が長くなるほど給与が上がる傾向があります。
厚生労働省の資料を見ても、1年目と10年目以降では平均約3万円以上の昇給が確認できます。
ただし、昇給率や手当の有無は運営元の方針や業績によって変化するため、企業の将来性を見定めることも大切です。
勤続年数
通所介護事業所
平均給与額
通所リハビリテーション事業所
平均給与額
1年(勤続1年~1年11ヶ月) 251,400円 283,520円
3年(勤続3年~3年11ヶ月) 260,790円 276,710円
5年(勤続5年~5年11ヶ月) 279,000円 276,490円
10年(勤続10年~10年11ヶ月) 284,830円 311,590円
20年以上 314,970円 356,930円

介護福祉士などの資格を取得する

収入をアップさせるためには、介護福祉士などの資格を取得する方法もあります。
多くの介護施設では、介護に関する資格を保有する職員には資格手当を支給しています。
保有資格によるデイサービスでの平均給与額は次の通りです。
保有資格 通所介護事業所
平均給与額
通所リハビリテーション事業所
平均給与額
介護職員初任者研修 265,900円 287,370円
実務者研修 266,540円 300,960円
介護福祉士 290,120円 313,430円
介護支援専門員
(ケアマネージャー)
313,480円 356,920円
社会福祉士 317,130円 331,730円
参考資料:「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 第102表 介護職員の平均給与額等(月給・常勤の者),サービス種類別,保有資格別(介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所)」P166、167

ポラリスでは、介護福祉士の国家試験を受験するために必須の「介護福祉士実務者研修」を開講しています。
さらに、ポラリスの職員(研修修了後の入社も含む)であれば無料で受講することも可能です。
次の記事では、授業風景や修了生の声を紹介していますので、ぜひご覧ください。

夜勤や土日出勤などの手当がつく働き方を選ぶ

収入を増やすには、夜勤や土日出勤などの特別手当が支給される働き方を選択する方法もあります。
しかし、収入アップのためとはいえ、無理をしすぎるのは禁物です。
体調面や家庭の事情など、自分自身のライフスタイルと相談しながら慎重に検討しましょう。

管理職を目指す

介護サービスを提供する企業では、管理職の役職に就くと職務手当が追加されます。
厚生労働省のデータをみると、デイサービスでは役職の有無で約7万円以上の差がみられます。
管理職を目指している人は、活躍している上司や先輩の姿から自分に必要な課題を考え、具体的な行動を起こしていきましょう。
サービス種類 管理職 管理職以外
通所介護事業所 338,690円 269,010円
通所リハビリテーション事業所 384,160円 295,390円

給料が高い職場に転職する

現在の職場で働いていても明るい未来が描けない場合は、給料が高い職場に転職するのも1つの方法です。
また、各種手当の有無や金額は運営元の規模や業績によっても異なるため、収入アップを目指すのであれば経営母体が安定している大手法人を目指す方法もあります。

次の記事では、デイサービスの求人に応募する際の志望動機や自己PRの書き方を紹介しています。
デイサービスへの転職を考えている方は、ぜひ活用してくださいね。

職場選びで注目したい給与以外のポイント

職場選びにあたって給与は気になるところですが、その他の労働条件をおろそかにすると就職後のミスマッチにつながる可能性があります。
ここでは、職場選びの際に注目すべきポイントを紹介します。

労働時間と夜勤の有無

職場を選ぶ時は、自分自身のライフスタイルに合った働き方が実現できるかどうかを確認しましょう。
特に労働時間や、残業・夜勤の有無は重要なポイントです。
無理な長時間労働は体調面や家庭との両立に影響する場合もあるので、慎重に考えましょう。

仕事内容と業務範囲

一言でデイサービスといっても、「地域密着型」「リハビリ型」「自立支援型」「認知症対応型」など、それぞれの企業や事業所が異なる特徴を持っています。
入社後のミスマッチを起こさないためにも、選考時に「自分が担当するご利用者様の人数は何名か?」「食事・入浴・排泄の補助など、どこまでがサービス範囲になのか?」「自分にはできるか?」をよく確認しておきましょう。

次の記事では、リハビリ特化型デイサービスの仕事内容を紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

福利厚生の充実度

職場選びの際には見逃しがちですが、福利厚生の充実度も長く働くためには大切なポイントです。
有給休暇や介護休暇、産休育休の取得率など、制度があるだけではなく実際に活用されているかを確認しておく必要があります。
社員のための福利厚生が手厚い企業であれば、自身にライフステージの変化があっても安心して働き続けられるでしょう。

職場の雰囲気

職場の雰囲気は人間関係やモチベーションにも影響するため、入社前にしっかり理解しておきたいポイントです。
たとえば、リハビリ型デイサービスであれば明るく活発な雰囲気、地域密着型デイサービスであればアットホームな雰囲気になりやすい傾向があります。
転職の際にはできるだけ職場見学に足を運び、自分の目で現場の様子を確認しましょう。

企業が掲げるビジョン

企業理念や将来展望に共感できる企業で働くことで、毎日の仕事にやりがいや目標を持つことができます。
会社選びの際には、会社のホームページや社員インタビューから「何を大切にしている会社か」を調べてみましょう。

株式会社ポラリスでは、ご利用者様に元気になっていただく自立支援介護をビジョンとして掲げ、日々実践しています。
次の記事では当社代表・森のインタビューを紹介していますので、ぜひご覧ください。

採用面接で給与について質問する時のコツ

採用面接で給与について質問したいけれども、「お金の話題は勇気がいる」「印象が良くないのでは」となかなか聞けない人も多いのではないでしょうか。
仕事への意欲を示し、聞き方のポイントをつかめば、給与について質問することは可能です。
ここでは、面接での具体的な聞き方のコツを紹介します。

ポジティブな言葉で伝える

採用面接で給与について質問する時は、前向きな言葉を使って伝えましょう。
たとえば、「入社後の生活を具体的にイメージしたいので」「キャリアアップをはかりたいので」という表現であれば、仕事自体への意欲や熱意も一緒にアピールできます。

次の記事では、デイサービスの採用面接でよく聞かれる質問や具体的な回答例を紹介していますので、あわせて参考にしてみてくださいね!

謙虚な姿勢で伝える

面接では、仕事や面接官への謙虚な姿勢を示すことが大切です。
特に給与面について質問をしたい時は、面接官に「お金のことしか考えていない」「仕事の意欲が感じられない」という印象を持たれてしまうと不採用につながりやすくなります。
応募先の企業で働きたい意欲をしっかり示したうえで、「差し支えのない範囲で待遇を教えていただけますか?」と控えめに聞けば悪い印象には映らないでしょう。

切実な理由を伝える

自分自身が給与にこだわる明確な理由があれば、面接官に正直に話すのも1つの方法です。
「前職の給与では生活するのが難しいので」「子どもが○人いるので」などの実生活に直結する切実な理由であれば、面接官もネガティブな印象は抱きにくいものです。
さらに、「理由があるので、よりモチベーションを持って働きます!」と一押しできるとアピールにつながります。

内定後に確認する

「面接で給与について聞くのはどうしても抵抗がある」「気軽に聞ける雰囲気ではなかった」という人は、先方に内定をもらった後に待遇を確認する方法もあります。
ただし、長く働き続けるためには、給与などの条件面に納得できない時は「縁がなかった」と決断する勇気も必要です。

まとめ

デイサービスの給与は、労働時間や勤続年数とともに、保有資格、役職などの手当の有無によって大きく異なります。
給与アップを目指すなら、資格取得や昇格試験にチャレンジし、スキルアップをはかることをおすすめします。

職場選びの際に給与は気になるポイントですが、労働条件や職場の雰囲気などもしっかり理解したうえで、自分がよりいきいきと働ける職場を見つけましょう!

次の記事では、自立支援介護の現場で働くポラリス社員のインタビューを紹介していますのでぜひご覧くださいね!

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