プロフィール

ポラリスデイサービスセンター見野
所長 兼 川西宝塚エリアリーダー
田中 薫


介護やリハビリは全くの未経験から応募

――はじめに、入社から現在までの経歴を教えてください。

ポラリスデイサービスセンター見野にて、所長とエリアリーダーを兼任しています。

入社以前は医療事務をしていて、介護やリハビリは全くの未経験でした。
我が家は女性が長生きする家系で、曾祖母も長生きしていましたし、祖母と同居していたこともあって、高齢者と身近に関わることが多い環境だったんです。

そのため、介護の経験はなくても何となくできるんじゃないかな、と思い27歳の時に応募しました。
ちょうど見野事業所がオープンしたばかりの頃で、今から14年前になります。

当時はまだ、子どもが二人とも保育園に通っていたこともあって、週2~3日勤務でした。
実は、パート職員として長く勤めていた間に、何度か正社員のお話をいただいていました。
大変ありがたかったんですけど、仕事に重きを置くより子どもたちに対してしっかり時間を取りたいと思い、お断りしていました。

子どもが小学校高学年になったあたりで契約社員になり、それから更に正社員へ登用され、主任という役職に就きました。

それから3年ぐらい経った頃、今度は所長のお話をいただきました。
ありがたいお話でしたが、全く自信の無かった私は、何度かお断りしていました。
当時の所長が異動になった事がきっかけで、「もうやるしかないな!」と決意しました(笑)。

そして5年前にポラリスデイサービスセンター見野の所長になりました。
周りのスタッフにたくさんフォローしていただきながら、これまで何とかここまでやってこれたと思っております。

楽しい雰囲気になるよう、声掛けなどで積極的に働きかける

――ポラリスデイサービスセンター見野の特徴を教えてください。

見野事業所は、短時間のリハビリ型自立支援介護施設のため、お食事やお風呂のご提供は行っていません。
スタッフは介護士、看護師、理学療法士を含めて13人が在籍し、毎日午前と午後の2回転で、それぞれ18名定員で行っています。

長く通われている方や新しく入られた方、体験で来られた方など、さまざまな方が混在している中、上手くコミュニケーションを取って、信頼関係を築いていくスタッフが多いです。

特に看護師は、オープン当初から在籍している方が多く、医療的なことに関してもとても信頼できますし相談しやすいです。

――職場の雰囲気はどのような感じですか?

ポラリスに入り私が学んだのは、一人一人のご利用者様にしっかりと向き合い、自立した生活がもう一度できるよう一つ一つの課題解決に向けてサポートすることです。

仕事はもちろん大変ですが、常に前を向き、楽しんでやるべきだと思っています。
だからこそ、私自身が仕事を楽しめているかどうか、また職員が楽しんで働けているのかどうかを常に心がけて取り組んでいます。

また、職場全体が明るい雰囲気になるような声掛けや、ご利用者様に満足して楽しみながら取り組んでいただけるよう働きかけを心がけています。
​見野事業所はいつも明るく、どのご利用者様も楽しくリハビリされています。
それだけでなく、ご利用者様同士も仲が良く、お互いに刺激を受けながら運動されていて、時にはご利用者様同士で「頑張りや」と声をかけたり、自然と拍手が生まれたり、お互いを応援し励まし合っているのです。

職員もそんなご利用者様の姿に刺激を受けながら、一生懸命ご利用者様に向き合っています。
私自身、ご利用者様や職員のその明るさや前向きな姿勢に支えられ、元気をもらっているからこそ日々頑張れるのです。

もちろん、楽しいばかりではなく、これまでに大変な時もありました。
コロナ禍の時期は特に、ご利用者様がコロナに罹らないようスタッフも祈る気持ちで毎日働いておりました。
また、スタッフ自身も体調管理をしながら、ご利用者様に少しでも安心していただけるよう一生懸命に案を出し合い切り抜けました。

でも、そんなしんどい時こそ笑っていたらいい!といつも思っています。
笑って仕事に励むうちに、気も紛れて「また頑張ろう」と思えるからこそ、日々楽しさを大切にしています。

――月500万円の売上目標を達成した理由を教えてください。

2年ほど前、月の売上500万円を達成することは、私にとって大きな目標でした。

当時の見野事業所は、ご利用者様の欠席率が高かったんです。
お休みされても振替を利用されない、休んだら休みっぱなしというご利用者様がとても多かったんですよね。

そのため、ポラリスが掲げている欠席率8%の目標に、どうしても近づけませんでした。
いろいろと悩みながら、これまでのやり方を見直して対策を考えましたね。

その結果、ご利用者様の担当スタッフが直接、振替を依頼するようにしたんです。
休みに対しての振替はできるようになり、今では当たり前のように振替していただけるようになりました。
欠席率が大幅に減ったことで、売上に繋がったのかもしれません。

要介護の方に関しては、1回休むと1回分売上が少なくなってしまうんです。
どうしても欠席が積み重なっていくと、大きな数字になってしまうため常に気をつけていますね。

売上はもちろんのこと、欠席されるとその分、運動ができなくなるので、ご利用者様の健康のためにも続けていただくのが大切だと考えています。

運動の重要性を理解していただくのは時間がかかりますし、伝え方一つで違ったニュアンスになってしまうので、どのスタッフも苦労しているところですね。

月500万円を超えた時には、自分の中で強く印象に残りました!

売上トップの達成は、まだまだスタートライン

――ポラリス売上トップになった秘訣とは?(※㎡売上のトップ)

次はさらに大きな目標を持ちたいという思いから、1年ほど前に月600万円を目指すことにしました。

入社以来、14年間見野事業所にいるので、ケアマネージャーさんとも顔見知りで、長くお付き合いさせていただいています。
見野事業所の隣の建物には、ケアマネージャーさんの事務所も入っているんですよ。
そのため、ケアマネージャーさんの協力体制が取りやすく、ご利用者様の見学も多いという、立地条件に恵まれたラッキーな側面がありますね。

事務所が近所にあるおかげで、ケアマネージャーさんもよく顔を出してくれるんですよ。
ケアマネージャーさんの担当しているご利用者様が、ポラリスに通って元気になっていく様子は、とても嬉しいと喜んでくださいます。

また、見野事業所のファンでいてくれるケアマネージャーさんが、新しく入ったケアマネージャーさんをわざわざ見学に連れてきてくれるんですよ。
そういった繋がりのおかげで、ほぼ毎日お電話をいただいたりすることも多いですね。

半年に1回行われる家族会には、たくさんのご利用者様を紹介してくれるケアマネージャーさんは毎月来てくれたりするんです。
ケアマネージャーさんは自立支援介護についてよくご存知で、いろんな部分でサポートしていただいており、信頼できる心強い関係性だと思います。

ポラリスのお伝えしている理念に対して、共感を持っていただけていると非常にやりやすいですね。

ただ、全員が全員そうではないので、何回説明しても理解いただけないことはありました。
たくさんの方が見野事業所にいらっしゃるので、やはりいろいろと考えることはありますね。

担当しているご利用者様を良くしたい、という思いはみなさん共通して持っています。
実際に良くなったところを見ていただいて、あの時私たちが言っていたことがこれだったんだな、とわかってもらえたらいいですね。

口だけで言っても伝わらないことはあるので、目の前で実践して理解していただくのが一番いいのではないでしょうか。
ご利用者様のご家族様にも、ケアマネージャーの方にも、どんどん見学に来ていただきたいですね。

ご利用者様以外の見学や来客が多い事業所なので、どのスタッフも対応ができています。
スタッフ全員が1つの方向に向かって、一生懸命やっているのが強みだと言えるのではないでしょうか。

実を言うと、私は営業を一度もしたことがないんです。
スタッフのチームワークや周りにいる多くの人に支えられて、目標達成できたのだと思っています。

無事、目標としていた売上月600万円は達成できましたが、やっとスタートラインに立ったイメージです。
自立支援介護の面では足りない部分があって、まだまだ課題も多いと感じています。

見野事業所はポラリスでトップの売上を取ることができたので、今度は自立支援介護でも1番を取りたいですね!

毎日30分の夕礼で、ご利用者様の情報をスタッフみんなで共有

――スタッフ間の情報共有はどのようにしていますか?

毎日30分、夕礼の時間を取っています。
1日の情報共有を行うだけでなく、次に繋げていく大事な場として、この時間に必ず集まることにしています。

私たちは、日々、嵐のように過ぎさっていく時間の中、その日に起きた事はその日のうちに振り返り、解決していくよう心掛けています。
ご利用者様に本気で向き合っているからこそ、私たちにとってとても大切な時間なのです。

夕礼の中では、ご利用者様ごとのカルテやアセスメント内容、体力測定の結果、歩行状態、靴の状態、声掛けの仕方やポイント、Pウォークでの歩行状態や付き添い方など、その日に合わせて必要事項を細かく共有しています。
また、ご家族様に伝えるべき注意点などをメンバーに共有したり、痛みが出る方への対策やどこにクッションを置くか、痛みを緩和する方法はあるのか、などを考えたりしながら細かく議論しています。

こうした細かい情報共有のおかげで、誰もがご利用者様のことを同じように知ることができ同じ目線で対応できるようになっています。
また、日々繰り返すことで、事業所全体としての対応の質も上がってくると考えています。

じっくり時間をかけてご利用者様に寄り添いたい

――どのようにご利用者様と向き合っておられますか?

日々改善への取り組みを行っていく中で、壁にぶつかる時もあります。
身体が改善していても前向きな気持ちで取り組める方ばかりではありません。
中には、生活環境の変化から先の事が不安になり、出来ていた事が出来なくなる方もいらっしゃいます。

長く働く中で、私自身が学んだ事の一つが、見える事ばかりが改善ではなく、同時に心や気持ちの改善が大事だという事。
私達がご利用者様にしっかり寄り添う事が心や気持ちの改善に繋がるのではないかという想いを持って、日々向き合っております。

「心や気持ちの改善」に繋がったと感じる事例をお話しさせていただくと、丁度1年前ほどに一人のご利用者様から「卒業しようと思います」と話が出た事がありました。

このご利用者様は、転倒から骨折を機に近隣にあるプールに通えなくなり、もう一度元の生活に戻りたいという気持ちからポラリスに通われるようになりました。
ポラリスを利用しはじめて約3か月で一人での歩行ができるまでになり、身体は改善傾向へ進んでいたのですが、ご本人様の不安な気持ちはなくならず、その都度何度も話し合いを行っていました。

そんな中で、約1年前にご主人様が亡くなり、息子様との生活が続く中、折れそうな気持に負けたくないという思いで走り続けた時、「ようやくポラリスで自分の居場所を見つけ取り組んでいた」とお話してくださいました。
そして「良くなっている事は理解していたが、もうポラリスに行けなくなると思うと突然不安になってしまった」ともおっしゃられました。
私たちはどうすれば不安をなくせるのだろうかということばかりにとらわれ、却って複雑に考えすぎてしまったことで、ご利用者様の本当の気持ちと向き合えていなかったのかもしれません。

スタッフ間で話し合いの場を設け、焦らずゆっくり時間を掛けてゆっくりと寄り添うことに努めました。
その後、何とかしたいという思いで、諦めずに背中を押し続けたスタッフたちの気持ちが伝わり、最終的には「皆さんのお陰で自信がつきました、卒業しようと思います」と言ってくださり、卒業に繋がりました。
私達はこの時の事を日々忘れず、次のご利用者様へと取り組み続けています。

このように、いつでもご利用者様は私達に学びの場を提供してくれます。
壁にぶつかる事ももちろんありますが、決して悪いこととは思わず、時間を掛けて向き合っていく事を大切にしています。

自分の中にスイッチが入り、所長になる覚悟を決める

――前任の所長とのエピソードを聞かせてください。

前任の所長は、私に数々の事を教えてくださいました。
当時の私は、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいたものの、それが何に繋がるのかよくわかっていない状態でした。
そんな私の事を理解してくださり、忙しい中でも時間をつくっていろいろと教えてくれた事は、今思うと感謝しかありません。

ここで長く働いてきた間には、しんどさを感じたり、正直もう辞めたいなと思ったりする時期もありました。
いろいろと思い悩んだり迷ったりした時にも、周りの方々や前任の所長に本当に沢山アドバイスや話を聞いていただき、今の私があると思っています。

当時助けてくださった方たちは、部署は違いますが、今も活躍されていて、時々お会いする機会があると、とても嬉しく思います。
そんな魅力的な方達と一緒に働けることが、頑張ろうと思える源になっているのかもしれません。

人材育成は時間をかけてとことんやりたい

――エリアリーダーとの兼務や人材育成について教えてください。

現在、所長とエリアリーダー業務を兼務するようになり、本当にスタッフに助けられていると実感する毎日です。

新しい仕事がどんどん増えてくるので、日常的にやらなければいけないことは余裕を持たせるように時間配分を考え取り組んでいますが、優先順位を付ける難しさを日々実感しています。
見野事業所の所長として、フロア業務や送迎に出ることもあり、スタッフの負担になっていないかよく見渡して気に掛けるようにもしています。

また、今は未来の所長候補となる副所長の育成にも携わっています。
私が前任の所長にしていただいたようにできればと思いながら接しているのですが、その都度「こんなに大変だったんだな…」と思い、改めて感謝する日々です。
これまで数々の失敗があったからこそ、今の育成に繋がっていると思っています。

私の中で人材育成は奥が深いと感じていて、実際に今まで育成に携わった中で、同じ育成を行ったスタッフは一人もいないと言っても過言ではありません。
例えば、自分は良いと思って行った事が、相手にとっては違う捉え方になっていたことで上手くかみ合わず、最終的に退職に至ってしまった経験もあります。

そうした苦い経験もあるのですが、これまで一度も育成が苦痛だと感じた事はありません。
成長していく姿を見ると当然嬉しくなりますし、育成に携わるのが好きなんです。
時間がかかってもとことんやりたいと思っていますし、苦戦しつつも楽しみながら取り組んでいます。

常に前向きでステップアップし続けている会社

――ポラリスについて、どんな印象を持っていますか?

ポラリスは、常に前を向いていて、ステップアップし続けている会社だと思います。

ある程度のところで満足するのではなく、「無理だろう」と思うことでも取り組んでみて、新しいことに挑戦する姿勢が魅力的ですね。

実際やってみて、ダメだったらその時考えようというスタンスは好きですね。
ポラリス代表の自立支援介護に対する熱い思いに刺激を受け、自分たちができることを考えて取り組んでいます。

見野事業所は、「自分がこうしたらいいんじゃないかな」と思うことを受け入れてもらえて、実践もできる環境です。
裁量も大きくて、一人ひとりスタッフの意見をしっかり聞いていただける会社だと思いますね。

マネジメントで大切にしていること

スタッフでは色々な個性を持っている方もいます。
長年のベテランとしての経験や想いが強い人、プライドが高い人、感情を抑えられない人、みなさん素敵な個性やクセ?もありますが、それぞれのの個性は伸ばしていくべきだと思っています。
でも絶対に否定しないをモットーに、みんなでできるようになっていくために努力をしていけるよう巻き込んでいます。

「徹底的にやりつくす」
・腑に落ちるように落とし込んであげること、中途半端にはしない
・目標は短期的目標で必ず期限付き、ちょっとだけ頑張ればいいことを目標にする、そのときに必ず振り返る
・やらなければやらないことは色々な角度から言い続ける。でも少しでも出来れば必ず褒める
「さっきのマシンの設定めちゃ速くなっててよかったよ~」「よくできてるよ~」などこまめな声掛け
・思ったことは言いあう。ご利用者様のこと以外でも夕礼で事業所をよりよくしたいと思っていることを発言する
・「どうせやるなら上をめざそうぜ」とメンバーにも声をかける。メンバー同士をコンビのように組ませて苦手なことを補い合わせる。何をどこまで教えたのか細かく確認はいれていく。先輩後輩ともにお互いをひきあげられるようにしていく
・輪に必ずいれてその方にあった役割を与える


しつこい自覚はあります。ほっとけないんです。
必ずその日中に気になることは言うようにしていて、様子が違ったら早めに面談を必ず組みます。
「どうしたん?」の一声でSOSを早めにキャッチし解決していきます。

ショートの事業所はお元気な方も多く、言い訳は通用しません。
口だけの社員もよく見ておられます。
生活相談員になったメンバーがいたらケアマネさんから名前で指名がくるように、名前で電話がかかってくるようにを小さなゴール設定にして名前で電話がかかってきたら「名前で電話がかかってきたね!!♪」とほめまくっています。

まとめ

常に楽しんで仕事をすることを心がけ、風通しの良い環境づくりを積極的に働きかける田中さん。
売上トップの秘訣として、チームワークにより全スタッフで一つの事に徹底的に取り組む事が出来る環境が要因のひとつというお話を伺うことができました。プロフェショナルたるや、本当に小さな工夫の積み重ねをこつこつ、、そして人間力とはこういうことだとあらためて教えてもらえました。結果はすべて、創意工夫のマネジメントが好成績のすべてだと思いました。

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