プロフィール

ポラリスデイサービスセンター多田
所長 伊東 邦浩

兵庫県川西市の「多田」がポラリス独自の事業所指標「チーム評価」1位を達成

――チーム評価1位、おめでとうございます!早速ですが、目標を達成した率直な感想をお聞かせください。

ありがとうございます。「1位になれたらいいな」なんて話をずっとしていて、ギリギリ狙えるか狙えないかという状況だったので、ついに達成できてよかったです。

今回目標を達成できたポイントは生産性だったと思います。
売上の目標設定をしたときは、あまり大きすぎる目標ではなく賭けに出たという感覚はなかったですね。一昨年も好成績だったのである程度の感触がキープできていましたし、すごく現実的な目標設定でした。そこから、予測値をいかに超えられるかということを考えていました。

また、スタッフの積極的な姿勢にも感謝しています。「今年はこの4人のご利用者様が卒業できると思います!」と自信を持って勧めてくれたおかげで、介護度改善し、見事にその通りの結果を出せました。

ベテラン揃いのチームが一致団結

――ポラリスデイサービスセンター多田はベテランスタッフが多いですよね?

そうです。他の事業所から異動してきたメンバーがほとんどで、ポラリス歴の長いスタッフが揃っています。

ベテランが多いからこそ、主任以下のポストのスタッフは社員もパートも関係なく技術やスキルが高水準なレベルだと思います。主任以外は私が教えてきたスタッフなので、それぞれの本質もおおむね理解しています。

今までの歴代所長が作ってきた流れが今いい方向で働いているのもありますね。そして、今まで私が所属してきた同じ川西エリアの事業所の3人の所長、それぞれの良さを見て、頑張って同じレベルを目指してきました。

うちの主任がコミュニケーションにおいて優しいタイプで、技術や器量のある人。だから、何かあると主任を通してスタッフに伝えてもらうようにして、円滑に連携をとっています。

――チームマネジメントで意識していることはありますか?

お互いを理解するため、本音で話せる時間を作ること。私はいつもチョコレートの力を借りて、スタッフと打ち解けています!(笑)

みんな甘いものが好きなので、休憩時間にチョコレートを渡してひと息つきながら、プライベートな話をするんです。家族のことや現状を把握して、大きなトラブルが発生する前に小さい困り事はそこで回収できます。

スタッフたちは私にストレートに本音をぶつけてくれるので、やりやすいです。「ここの事業所で働きたい」「人員配置の相談をしたい」など。
スタッフ全員、さっぱりしたタイプでポジティブに取り組んでくれる人たちなのも助かっています。
楽観的な人が多く、ご利用者様に元気になってほしいと気持ちを抱いていることは同じです。笑いがないとフロア運営の空気感にも出てしまうと思うので、笑顔を大切にしてくれています。


ご利用者様に「あなたたち、仲良いわね!」と和やかに言われることも多いですね。

2年半前に所長に就任したての頃は、 2ヶ月で立て続けに3人も退職した頃があったんです。そのときは、まだスタッフの悩んでいるサインに気づくことができなかったことをとても反省しましたね。

そのようなサインは早めに察知することが大切。そのためには、普段からコミュニケーションをとろうと思いました。
それができてないと、そっぽ向かれて会話してくれなくなっちゃうなと。 実際、退職が続いたときはそんな雰囲気を感じていました。


新しいスタッフが来たら、直球でコミュニケーションをとってみて、そのリアクションを見て手法を変えるようにしています。

距離感が大切な人には適切に距離を置く、男性が苦手な人には女性の主任に対応してもらうなど。その人に合わせたコミュニケーションを日々考えています。
このスタイルに変えてからは、退職者はゼロです!

ご利用者様に合わせた目標設定で前向きなサポート体制を作る

――チームとして仕上がっている雰囲気ですね!それでは、ご利用者様やご家族様との関わりはいかがでしょうか?

ご利用者様の卒業のためには、ご家族様の協力も必要です。
ご家族様からすると、「ポラリスで何をやっているのかわからない」と感じられる部分があると思います。、担当者会議では進行の妨げにならないように2~3分で話を纏めているので、深くお話ができないことがあります。その為ケアマネージャーを含めた30分のポラリス主催の家族会を大切な場にしています。

「目標として旅行に行きたい」とご利用者様はおっしゃっているけれども、 現状を踏まえると高すぎる目標なのではないか。難しいなら、この目標は一緒に達成できるか…
そんな風に、受動的ではなく、ちょっと食い気味なくらい積極的に誘導することを意識して、目標設定を高く保っています

この誘導と介護度改善、ご利用者様の意識づけ、ご家族様の協力が連動することで、 モチベーションをキープすることができています。その結果、欠席率が下がり、口コミが広がって、新規のご利用者様獲得につながっているのだと思います。

ご利用者様の声

――実際のご利用者様の様子はどうですか?

ご利用者様からこんなお手紙をいただきました。

良い意味で、「なぜもっと早くお世話にならなかったのか」と言われたことは嬉しかったですね。

今年の6月から90歳にして初めてデイサービスを利用された方で、先日の認定結果で要介護1から要支援2になりました。

今回8月からの目標を「水分量をしっかり計測する」としていました。ご家族様の協力もあり、小さなノートに記録を付けてくださいました。
ご利用者様に水分をとっていただくために、私はストレートに「お水飲んでくださいね!」とお願いしてしまうのですが、中には合わない方もいらっしゃいます。そのときはソフトで大らかな対応をする主任に任せるなど、ここでも適切なコミュニケーションを意識して、ご利用者様のサポートをしています。

このほかにも、「これまで施設に入っていたけれども、ポラリスに来て頭がしっかりしてきた」とおっしゃるご利用者様もいらっしゃいました。現在一人暮らしもできているそうです。

ご利用開始した当初は車椅子で移動していらっしゃった方です。私が「1年後には杖で歩けるようになりましょうね」とお声がけした際、「なんでそんなことを言うの?」と反発されたこともありました。具体的、かつ現状とかけ離れた目標をプレッシャーに感じられてしまったのだと思います。

最初は足が動かなかったため、左足さすりながら装具をつけて歩行練習をしました。その装具も太ももから足先までの長さでしたが、膝から下の半分になり、現在は装具を着けずに、杖で歩かれています。

立ち座りにとてもこだわって練習されていたので、歩き出す前の立ち上がる動作の安定感が次の一歩につながったんだと思います。
この方は、来週は四国に行くことを楽しみにしていらっしゃいます!以下お写真のご利用者様です!

ご利用者様の改善に向けた工夫は?

――それぞれのご利用者様の改善で工夫されていることはありますか?

看護師さんは計画表を見る機会があまりありませんでした。プロ意識の高さから「課題や訓練についてもっと知りたい」というリクエストを受けたので、情報共有を工夫しました。

このような表を作って、ご利用者様それぞれの情報を検索し、把握しやすくしたのです。また、課題のレベルに合わせて自動で練習方法が表示される仕組みになっています。

個別計画を立てるのは担当制なので、「その計画は現実的なのか」など、自分で課題解決するためのツールにもなっています。
――個別計画表が担当制になってから、書き方やその指導方法などで壁を感じているスタッフや所長が多いですが、いかがでしょうか?

以前別の事業所の所長から言われて気づいたことですが、何が課題かを頭の中で考えるだけでなく、口頭で話して整理したうえで、自分の手で書いて整理してみたらいいと思います。

そして、その先の目標。大きい目標をまず作り、それを分割して考えていったら、計画表の目標ができあがります。

例えば、目標は「旅行」と言われた場合。
旅行とい
えば、華々しいのは海外旅行ですよね。でも、いきなり海外は難しいのであれば、どこまで行くのか考えます。

日本国内の旅行という手があるけれど、それもまだ難しい。それなら、日帰りがある。
日帰りなら、どうやって行くのか。バスに乗っていくのは?でも、バスに乗れるのでしょうか?バスに乗るのであれば、バス停まで行かなければいけません。

こんな風にして区切っていって、最終的に「まずは家から出ないといけない。だから、バス停までの距離歩くことを目標にしよう」となります。

真面目な人ほど、大きな目標を立ててしまいがちです。すると分解するのが難しいので混乱してしまうのです。このような目標の分解を意識してみてほしいです。

売上やチーム運営において今後挑戦したいこと

――それでは、今後挑戦したいことはありますか?

まず、売上の面では売上が高いライバル事業所の見野に追いつくこと。(チーム評価は同点1位でした)

いかに戦略に考えるかが肝ですね。売上が月320万円だったのが、徐々に上げて平均400万円に到達するようになってきました。それを450万円まで上げるために、分析してタイミングを見計らってリレーションをとっていきたいと思っています。

見野はぶれない部分があり参考にすべきところも多いです。多田のオリジナルの方法とうまく組み合わせて、売上を上げていきたいです。

ここ2~3年は離職率が低い事業所のため、新人スタッフが少ないという一面もあります。

主任以下のスタッフは全員まだ新人を教えた機会がありません。今後、新人育成の機会もあればいいなと思っています。

そして、直近で言うと、介護度5だったご利用者様の卒業も目標です。骨折して身動き取れない状態で認定調査を受けて介護度5という評価だったのですが、退院した時にはもう介護度3くらいのレベルになっていました。

そこからもっとリハビリして、どこのレベルまで上げれるのかを考えているところです。

(‐主任吉岡さんから)
私たちはすごく楽観的で、あまり悲観的に考える性格ではないところが、うまくチームワークをとれているコツかもしれません。
その日の夕礼でこうしてご利用者様の状態、オペレーションの課題、思ったことなどを話していることも大きいかもです。

(‐スタッフから)
本当にこの事業所は人間関係がよく、本当に恵まれていて皆さんに助けてもらえています!
色々な仕事や施設を体験しましたが、ここが一番やりやすく楽しく働けています!

まとめ

今回は、ポラリスデイサービスセンター多田の所長にインタビューしました。チーム運営の工夫やご利用者様への接した方などさまざまな考え方を教えていただきました。

コミュニケーションを重視するポラリスデイサービスセンター多田は笑いの絶えない事業所でした!

ご利用者様との関わりが深いのもポラリスの特徴。ご興味のある方はぜひ求人情報をご覧ください!

関連する記事

著者